EPSとDi2のリアディレイラー

なんとなくEPSとDi2を比較していたらバス方式以外に、機械的にも結構違うように見える。
機械は高専で少しやっただけだが、その知識を掘り起こして観察。
実物を見たわけじゃなくて、Di2の資料の透視図とか、EPSの紹介動画の透視図から見てるので間違いはあるかもしれない。


フロントディレイラーはどちらも同じような仕組みで、パンタグラフ(平行リンク)の関節の位置からモータで一つの節を駆動し、プレートを動かしている。
細かい形状の違いはリンクの詳細な作り方の違いと、モータとかレゾルバの配置の問題だと思う。
デザインは、EPSが内部構造を想像させるグネグネしたつくりなデザインなのに対して、Di2のほうはすっきりとしたシンプルなデザイン。


逆にリアディレイラーはかなり違う。


Di2はフロントディレイラーと同様に関節の位置からモータで一つの節を駆動しパンタグラフを変形させている。
駆動される節の根元に動作制限用のネジがあり、動く範囲の上限下限を機械的に制限できるようになっている*1
ディレイラーの形状は、動作用のモータがパンタグラフの後ろに配置されているため、ワイヤ式に比べてハンガーに固定するボルトより後ろ側に張り出したような形状に見える。


EPSはギアードモータで駆動されたボールねじを使用した伸び縮みする棒をパンタグラフの対角線上の関節間に入れ、長さを変えることでパンタグラフを変形させている。
写真なんかで見えるパンタグラフから飛び出している金属の先端に黒いキャップが付いている棒がボールねじのケース。
機械的な制限はホイール側にだけパンタグラフそのものの動きを制限することで止める機構がある。
モータ部分をパンタグラフ内に格納できるために、Di2と違ってパンタグラフとモータの外観上での境界線が目立たず、ワイヤ式と比べてもボールねじを除けばパンタグラフが少し延長されただけのディレイラーに見える。
モータ自体はおそらくDi2よりも大きく、"スイスの供給元"とか書いてあったりするのでマクソンモータじゃないかと思われる。


どちらの方法が正確に動くかとか、速く動くかとか、システム全体の造りにもよるので何とも言えない。
私は、リアディレイラーのデザインはEPSのほうが好き。

*1:これは電気的にやっている動作制限に加えた保険的な意味らしい