キーボードを洗う(フル)

頽廃な日常から逃避としてキーボードを洗う作業をやった。
いつもはキートップを外して洗うのと、隙間に溜まったゴミの除去だけだが、今回は分解して水洗い+注油もやった。
前にやったのはもう覚えていないぐらい昔だったと思う。
キーボード自体の製造年月日は2003年8月なので、2005年ぐらいで、たぶんまだ愛知にいたころ。


写真を撮ろうと思ったら、やっぱり作業に集中すると撮らなくなって、結局2枚しか撮らなかった。
携帯のカメラは使いにくいので、やっぱり専用機があった方が良いんだろうか…
ただ、溜まったゴミとか正直グロ中尉なので、撮らない方がよかったともいえる。


とりうわけで、サクサク分解して、センサ基板を取り出す。

HHK Proは東プレのOEM(というのかは謎)なので、RealForceなどとほぼ同じ構造になっている。
基板上にもTopreのシルクがある。


ゴムドームが並んでいるのがセンサ基板で、ゴムドームは基板に張り付いて(接着ではなく固着?)いるので、剥がれないように注意しながら外す。
写真の左上のほうは外れてしまっている。
このゴムドームはメンブレンのようにバネの役割をしているわけではなく、中に入っているスプリングを支えるためだけで、実際のバネ力発生は中に入ってる金属のスプリングが行っているため、ゴムの非線形性なバネ特性がないことに加え、ON/OFFの検出も接触ではなく静電容量変化で非接触で検出しているため、押し心地がいいというのがメリットらしい。
東プレの説明

RealForceは知らないが、HHK Proはスイッチの軸の部分とキーボードの上側のフレームが一体化している構造なので、センサ基板だけ外して軸の部分とフレームをまとめて洗ってしまえる。


風呂場にてキートップを洗剤に付け込んで汚れを落としながら、上部フレームとスイッチの部分を洗っているところ。
スイッチははめ込みではまっていて、不意に取れることはなさそうだったので、シャワーで水をかけながらで充分洗える。
分解して一個一個洗おうかと思ったが、ヘタに分解する最中にプラを折ったりすると泣けるのでそのまま洗った。
同じ方法で基板を外した下側のフレームも洗った。
洗った後、プラスチックにも使えるというWAKOSのバリアスコートというコート剤で表面をコートしておく。

自転車にも使ってるが、良さげなので今回使ってみた。

その後、充分乾燥させた後、スイッチ軸に注油して組み立てる。
使用するオイルはプラを侵さなくて、あまりべとつかないオイルがいいと思う。
今回は同じくWAKOSのフッソオイル105というのを使った。


これはデュポンのKrytox 105という高性能フッソグリスをエアゾールにしたものらしい(実際にKrytoxが何%入っているかは不明)
スイッチ軸の隙間にスプレーして、何回か振って馴染ませた後、はみ出た部分をふき取る。


最後に、組み立てて問題ないことを確認したら完了。
センサ基板はかなり多いネジ(数えるの忘れた)でプラフレームに強固に接合されており、組み立てがめんどくさいが、その分がっちりする。
RealForceでは鉄のフレームがあるとの情報もあるがHHKはプラだけで、サイズ的に鉄は必要ないのかもしれない。



会社で使っていると隣の人がイラッとする程度のうるささだったが、今回のメンテでかなり静かになった。
オイルが完全になじんでないせいか違和感があるが、これを打っている間にだいぶ改善してきた。


追記
バックスラッシュが打てなくなったり、入力が暴走したりして壊したか?と思ったが、しばらく(1晩寝たら)治った。
乾燥が不十分で水が残っていて静電容量が想定外の値になって動かなかったのかな?
もう一度分解して調査した方が良いのかも。


冷静に考えると、静電容量センスってすごいな。


追記2
ネットで調べたところ、RealForceはキーが乗っているフレーム(HHKの上半分に相当)の上に、さらに筐体のカバーが被さる構造っぽい。
上側の筐体は強度をほとんど受け持ってなくて、下側の筐体にすべて固定されているっぽいところも違いか。


追記3
構造を見直すと、バネ力の発生はラバーカップがやっていて、内部のスプリングは静電容量変化のために使っているらしい。
メンブレンと違って、接触のことを考えなくていいので、ラバーカップのサイズを最適化できるため、バネ特性がいいらしい。